フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略(クリス・アンダーソン)

フリーについての経済について解説している本。デジタルを、取り巻く価格は限界費用まで下がる。乱暴にまとめれば、限界費用が非常に低いものはフリー(無料)になるということ。

Kindle unlimitedで読んだけど、これもフリーに近いね。ていうか、そもそも著者はこの本も無料公開したらしい。さすがという感じ。
読んでいてなるほど、と思ったのは以下の箇所。
「フリーペーパーは広告収入で運営されていて、それは広告主である小売業者のマーケティング予算から出される。そして、その費用は商品の価格に上乗せされるので、最終的に読者かそのまわりの人が、価格が少し高くなった商品を買うことでそのコストを負担することになる。」「典型的なオンラインサイトには五パーセント・ルールがある。つまり、五パーセントの有料ユーザーが残りの無料ユーザーを支えているのだ。」
フリーペーパーが広告費などからできていることは知っていたが、それを企業側から見ればたしかに商品価格に上乗せされていると考えるのが妥当だろう。
またオンラインの無料ゲームなどは、一部の課金ユーザーにより利益をえることというのは新鮮。これは、デジタルなものは限界費用(ユーザー1人増やすにあたって追加的にかかるコスト)が非常に低いからだ。
昨今のモノ・サービスの価格が安いことにはこういったからくりがあるのだなぁと感じる。
また、行動経済学に関連する部分も述べられていた。
「それまでお金を払っていたものが無料になると、私たちは質が落ちたと考えやすい。でも、最初から無料だったものは、質が悪いとは思わないのだ」
これはアンカリングだろう。はじめは無料ということで、無料というアンカーが消費者に降ろされてしまっている。
また、中国のコピー文化にも触れられていて興味深かった。
「不正コピーは事実上、中国のすべての産業に及んでいる。それにはこの国の発展状況や法制度も関係しているし、さらに儒教では、他人の作品をまねることは敬意の表明であり、教育の基本になるという知的財産に対する考え方がある」「海賊行為がおこなわれるのは、製品の複製と分配にかかる限界費用が、値付けされた料金よりもかなり低いと市場が気づいたときだ。」
中国では、本物というのは“嗜好品”という意識もあるらしい。確かに、私も偽物ではないにしろ、類似品を買って安く済ませようとしたことはあるので、気持ちはわからなくもない。(ただ、あからさまに著作権に触れそうなコピーをやりとりする中国とは違うだろうが)
読書
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