往復書簡(湊かなえ)

最初から最後まで文通の形と、珍しい書籍だった。電車男が、2ちゃんねるっぽい様式だったのを思い出しました。

物語は3つ。
・十年後の卒業文集
・二十年後の宿題
・十五年後の補習
一つ目は、同級生の結婚式で再会した高校の放送部だった4人の人間模様を描いています。悦子、アズ、静子、千秋は高校のとき、人気のあった浩一が好きでしたが、誰かが射止めたら応援するという約束をし、結局綺麗だった千秋が、浩一と付き合うことになります。しかし結婚式を挙げたのは静子と浩一。
悦子以外の3人は五年前に再会して、ご飯を食べお酒を飲んだとき、放送部のとき同様、「月姫伝説」にあやかって、地元の山に行ったが下山するとき、千秋が転び顔に傷を負ってしまいました。千秋はそれから塞ぎ込み、浩一とも別れ、行方不明となってしまいます。そんな千秋のことを文通で調べる悦子のお話です。
結末部分で、悦子からの手紙だった部分についてまさかの事実があります。誰もが浩一を好きだった高校時代にも、裏話的なことがあります。バッドエンドではないので良かったです。笑
二つ目は、一つ目の話でちらっとでてきた大場先生のお話です。彼の恩師である竹沢先生は、小学校教諭を定年退職し、持病の悪化で入院しています。竹沢が定年となっても、卒業後気になる生徒児童が6人いるため、大場に会ってもらい、竹沢先生が渡したいものを代わりに渡すお話です。大場は当時の児童に会ううちに、当時事故があったことを知り、その内容から、自分のこれからの人生についても考えていきます。
私もこれからの人生について考える事があり、結婚を決意した経験があったので、少し、じんわり来ました。
三つ目は、婚約している純一と万里子の国を越えた遠距離文通です。15年前、高校時代の2人の同級生に、一樹と康孝という子がいたが、彼らは仲が悪く、一樹は康孝をよく殴っていました。康孝が、一樹の突かれたくない部分を罵ることが原因でした。ある日一樹と万里子は資材置き場に閉じ込められ、そこが火事になることで一樹は亡くなります。そしてその夜康孝は飛び降り自殺してしまいました。その時の真相が2人の文通から明らかになっていきます。
新情報に新情報を重ねられていく結末が面白かったです。人の記憶とはあいまいですね。
小説
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