行動経済学の逆襲(リチャード・セイラー)

リチャード・セイラー(2016)『行動経済学の逆襲』早川書房

学部時代からの興味の対象である、行動経済学。今回は行動経済学の逆襲について読みました。
本書は、著者(リチャード・セイラー)のこれまでの経歴のような自叙伝のような趣の本です。
年代ごとに、第1部、第2部と区切ってあり、その書く時点での疑問や主張、エピソードがちりばめられています。
簡単に以下まとめます。 
第1部 エコンの経済学に疑問を抱く
 著者は経済学にとって無関係なはずのことが、結果に影響を与えていることを見出しました。合理的な選択をする個人をエコン、人間的な心理学的な影響を受ける個人をヒューマンとして区別しています。
第2部 メンタル・アカウンティングで行動を読み解く
 お得感やぼったくり感、サンクコストギャンブルなどで勝っている時の心理と負けている時の心理から、メンタル・アカウンティングに
ついて考えています。
第3部 セルフコントロール問題に取り組む
 食事の前に、食卓にカシューナッツがあろうとなかろうと、エコンであれば、カシューナッツは適量で抑えられるが、ヒューマンは違います。目の前からなくすことで、歯止めが効くようになります。これは時間割引率に関係します。今消費するか、あとで消費するかは時間割引率が高い人ほど、今消費するのです。
第4部 カーネマンの研究室に入り浸る
 あのマグカップの実験について書いてあります。マグカップの実験とは、被験者にマグカップをあげて、いくらなら他者に売るか、聞いた値段と、マグカップを持っていない被験者に、いくらなら他者から買うか、を聞いた時の値段が違うという結果をもたらしたものです。ここには保有効果という、一度手にしたものを手放す際、惜しんでしまうというような効果です。
第5部 経済学者と闘う
伝統的な経済学はエコンを前提に考えられているため、行動経済学は論争にさらされます。
第6部 効率的市場仮説に抗う
 市場では裁定取引で価格が収斂するはずなのに、そうはなりません。
なぜでしょうか。
第7部 シカゴ大学に赴任する
 ドラフト指名がここまで興味深い研究対象となるとは思いませんでした。笑  今勝ちたいチームは犠牲を払ってスター選手を獲得しますが、それではいい結果を招きません。
第8部 意思決定をナッジする
 貯蓄させるためには自動的にさせるのがよい。自動的に後で拠出率を上げるような仕組みであれば尚貯蓄できます。
以上のような内容でした。
割と長い本なので、読むのに時間はかかりますが、読み応えがある面白い本でした。行動経済学に興味があれば是非。

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