結婚して、将来の住宅取得や子育て、老後に備えて貯金をしたい。そう思ってはいても、なかなか貯まらない——という方は多いと思います。
我が家は、私が大学職員、配偶者がフルタイム勤務の共働き世帯です。結婚してから約4年で、世帯の貯蓄が1,000万円を超えました。これは預貯金だけでなく、後述する投資信託(積立)の評価額も合わせた金額です。特別に高収入なわけでも、切り詰めた節約生活をしたわけでもありません。
もちろん、給与や支出の前提は家庭ごとに違うので、あくまで一例です。ただ、ここで紹介するのは金額そのものより「家計を回す仕組み」の話です。この仕組みは、賃貸から持ち家に変わった今も基本的に同じまま回っています。共働き世帯であれば、子の有無を問わず取り入れられる部分があるはずです。
前提:どんな世帯か
まず、我が家の状況を説明します。
大学職員+フルタイムの共働き
私が大学職員、配偶者が別のフルタイム勤務という、いわゆるダブルインカムの共働き世帯です。世帯としての収入が2人分あることが、貯蓄の一番の土台になっています。
なお、大学職員(学校法人職員)の給与・賞与の安定性については別記事で詳しく整理しています。
20代後半で結婚/当初は賃貸・車なし
結婚したのは2人とも20代後半の頃です。年収は同年代の平均よりやや高い程度で、突出して高いわけではありません。
結婚当初は賃貸住宅で、車も持っていませんでした(必要なときはカーシェアやレンタカー)。住居費と車という二大固定費が軽いことは、種銭づくりに大きく効きました。1,000万円は、この賃貸時代の約4年で貯めたものです。
こうして貯めた:家計の仕組み
ここからは実際にやったことです。私がFPの資格を持っていたこともあり、参考書を見ながら設計しました。とはいえ、あまり根を詰めると続かないので、ゆるめに運用しています。
① まず家計の計画を立てる(先取りで貯める)
- 家賃・水道光熱費・通信費・日用品・食費など、毎月家計から出る固定的な費用を試算します。我が家は月17万円程度と想定しました。
- その金額を2人の給与でどう負担するかを決めます。我が家は2人の給与の7割(合わせて月30万円程度)を家計口座に入れ、残りの3割を各自のお小遣いにしました。
- 賞与(ボーナス)は8〜9割を貯蓄に回し、生活費としては当てにしないことにしました。
ポイントは、先に「家計に入れる額」と「貯める額」を決めてしまうことです。余ったら貯めるのではなく、先取りで貯蓄に回す形にします。
なお、この「給与の7割を家計へ・3割をお小遣いに」という割合は、種銭を貯めていた当時のものです。その後、収入やライフステージの変化に合わせて見直し、いまはお小遣いを「世帯の手取り合計の8%ずつ(夫婦それぞれ8%)」とする形に変えています。割合に唯一の正解はないので、家庭の状況に応じて定期的に見直すのがよいと思います。
② 家計口座とカードを一本化する
支払いを散らかさないために、家計を1つの口座とカードに集約しました。
- 家計用の口座を1つ用意する。
- 家計用のクレジットカードと家族カードを発行し、引き落としを家計用口座に設定(我が家はいま三井住友カード プラチナプリファード)。
- 家賃・水道光熱費などの固定費は口座振替、日用品・食費などの変動費はクレジットカードで支払い、ポイント還元を受ける。
家計口座は、当初は信用金庫を使っていました。『お金が貯まるのはどっち?』という本を参考に、「将来、住宅ローンや不動産投資ローンを借りるとき、取引実績があると優遇されるかもしれない」と考えたためです。
ただ、その後住宅ローンを別の金融機関で借りられたこと、不動産投資も当面やる予定がないことから、いまは利便性とポイントの貯まりやすさを優先して楽天銀行に切り替えています。目的が変われば、口座も乗り換えてよいと考えています。
電気・ガスや通信も、ポイントが貯まる・使える契約にまとめておくと、生活費の支払いがそのままポイント還元につながります。固有のサービスは時期によって還元条件が変わるので、いまの条件で選び直すのがおすすめです。
③ 支出のルールを決める
「これは家計から/これはお小遣いから」を最初に決めておくと、毎回もめません。我が家のルールはおおむね次のとおりです。
- 2人で消費するものは家計から出す(食費・日用品・旅行の宿泊費や交通費など)。
- 例外的に、医療費は相互扶助の考え方で家計から。
- 個人的な支出はお小遣いから(各自の昼食代、スマホ代、趣味、書籍、習い事など)。
- カードが使えず現金で立て替えた分は、後から家計口座で精算する。
④ 貯蓄は「守り」と「攻め」に分ける
貯めたお金は、預貯金・定期積金・投資(投信積立)に分けています。
- 生活防衛資金は、すぐ引き出せる預貯金で確保しておく。
- それを超える余剰資金は、新NISAを使った積立投資に回す。
2024年からの新NISAやiDeCoの使い方、大学職員に向いた投資の考え方は、別記事にまとめています。
なお、4年程度の積立では投資の利益はそこまで大きくなりません。1,000万円の大半は給与からコツコツ貯めた分で、投資はあくまで上乗せという感覚です。
続けられた理由:ゆるくやる
これらを続けた結果、「気づいたら貯まっていた」というのが正直なところです。
安い食材のために遠くのスーパーへ行ったり、外食やお菓子をひたすら我慢したり、といったことはほとんどしていません。せいぜい「コンビニではなくスーパーやドラッグストアでお菓子を買う」程度です。節約で日々の生活が楽しくなくなるのは本末転倒だと考えているからです。
その後:持ち家になっても仕組みは同じ
賃貸時代に貯めた種銭をもとに、その後中古の分譲マンションを購入しました。新築ではなく中古を選んで取得費を抑えたのは、これまでの「住居費は身の丈に」という考え方の延長です。
住居費が「家賃」から「住宅ローン返済」に変わっても、家計口座を一本化して先取りで貯めるという仕組み自体はそのまま使えています。固定費の中身が入れ替わっただけで、回し方は変えていません。
賃貸時代より住居費の負担は上がりましたが、世帯収入と仕組みのおかげで、貯蓄ペース自体は保てています。
子どもの有無で変わる「金額感」
ここまでの仕組みは、子どもの教育費を大きく含まない段階を前提にしています。子どもがいる場合は、ここに教育費が上乗せされます。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、子ども1人あたりの学習費(学校教育費・学校給食費・学校外活動費の合計)は、幼稚園3歳から高校3年までの15年間で次のようになっています。
| 進路 | 15年間の学習費総額 | 月あたり換算(目安) |
|---|---|---|
| すべて公立 | 約614万円 | 約3.4万円 |
| 幼稚園・高校が私立(小中は公立) | 約838万円 | 約4.7万円 |
| すべて私立 | 約1,969万円 | 約10.9万円 |
つまり子どもが1人いると、進路次第で月あたりおおむね3万〜11万円の教育費が家計に乗ってきます。しかもこれは学習費だけで、食費・被服費などの養育費や、大学の学費はさらに別に必要です。
したがって、子どもありの世帯では、前述の家計に「子ども1人あたり月3〜11万円+養育費」を織り込む前提で計画を立てるのが現実的です。逆に言えば、子どもがいない、あるいは未就学のうちは、この分を先取り貯蓄や教育費の事前積立に回せる時期とも言えます。
まとめ
我が家が4年で1,000万円貯められたのは、特別なことをしたからではありません。
- 共働きで世帯収入が2人分ある
- 賃貸・車なしで固定費が軽かった(持ち家になっても固定費は身の丈に)
- 家計を仕組み化して、先取りで貯める
この3つが噛み合った結果です。全部を真似する必要はまったくないので、できそうなところだけ取り入れてみてください。
大学職員・学校法人職員という安定職だからこその資産形成の注意点は、こちらも合わせてご覧ください。

