金利「超」入門(美和卓)

当サイトのリンクには広告が含まれています。

野村證券のチーフエコノミストによる、金利の入門書です。


金利とは、お金を貸したとき、元手から余分に生まれるものであり、危険に対する保険料であり、物の値段の変化調整をするものであり、飴と鞭です。

中央銀行は、短期金利(政策金利)をオペレーションによって動かします。日本で言えば、「無担保コール翌日物金利」といいます。アメリカのFRBではFFレート、欧州のECBでは主要ファイナンス金利です。

銀行間市場には基準金利があります。ロンドン銀行間貸出金利のことLIBOR(ライボー)といいます。3ヶ月円ライボーだったら、ロンドン市場で円を3ヶ月貸す時の金利です。

LIBORは2021年12月をもって廃止されました。

他にもTIBOR(東京), HIBOR(香港), EURIBOR(欧州), SIBOR(シンガポール)があります。

2016年1月から始まったマイナス金利とは、日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利をつける、つまりは手数料を取るものです。そうするとどうなるか、銀行は日銀に預けたくなくなります。お金が市場に多くなるので、貸出金利は低くなります(供給が増える、金利低くていいから借りてほしい)。また、リスクが低い国債を買ったりします。そうすると、国債を欲しい人が増え、債券価格が上がり、国債の利回り(金利)は低下します。

そしたら今度は短い期間の貸出金利や、短い期間の国債では、金利がつかなくなります。そして、中期長期の貸出金利や、国債の金利も下がるのです。

日銀は、長期金利(10年国債の利回り)を誘導するために国債を大量に買い入れています。2016年9月から長短金利操作付きイールドカーブコントロールと言っています。これの出口論も注目が集まっていますが、結局は日銀のBSが悪化し、国民が負担することになる、というようなことを言っています。


本書は金利について非常にわかりやすく書かれていました。有価証券による運用をしている人はもちろん、大学生などにもためになる本ではないかと感じました。

あわせて読みたい
私立大学の資産運用まとめ 私立大学でも国立大学でも、昨今は経常費補助金や運営費交付金が減っていき、収入の多角化を考えないといけない状況になっています。 そこで本記事では、私立大学(学校...
あわせて読みたい
大学での債券投資に必要なスプレッドの考え方 前回、大学の資産運用における債券投資について書きました。 https://piroself-investment.com/university-bond/ 今回は、その延長で「スプレッド」について説明します...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

経理・財務経験が6年程度の大学職員です。

資格:簿記2級、FP2級、TOEIC L&R 880点
投資年数:10年
投資経験:投資信託(インデックス投資)、米国ETF、トラリピ(FX自動売買)、トライオートETF(株価CFDの自動売買)、暗号資産(仮想通貨)

目次