先日、以下のような質問を受けました。
将来的なことを考えて運用を少ししたいと考えています。ただ、年中チャートに齧り付いてる体力もなく、元本割れするとうーん…となって、定期預金しかないのかな、と考えているところです。元本割れをしない/しづらい何かオススメの投資商品はないでしょうか。
皆さん誰しもが一度は考えるであろう、こちらの質問にお答えしていきます。



投資って株とかでしょ。ギャンブルみたいで不安だわ
普通預金だけじゃ金利が全然つかないなぁー。投資を始めたいけど、何から始めたらよいかわからん
以上のように思っている方の参考になれば幸いです。
【結論】利回りは高くないが、提案するなら3つ
元本割れしづらいものとなるとどうしても利回りは低くなります。リスクが小さいのにリターンが大きいという投資はありませんからね!
有効フロンティアという、様々な資産を組み合わせ、リスクを極力上げないようにして、効率的にリターンを得るという考え方もありますが、それを自分のポートフォリオに落とし込むのは難しく、時間と手間がかかります
それを踏まえて、元本割れしない/しにくい金融商品の結論としては以下3つです。
- ネット銀行の定期預金
- 個人向け国債
- 円貨建ての債券(株価連動債やEB債という仕組債を除く)
これら3つについて説明していきたいと思います。
元本割れしやすい=リスクが高い=ハイリターンにもなり得る
そもそもリスクが高いというのは、たくさん損をするかもしれないし、たくさん利益を得るかもしれないということです。たまに、リスクというと損をする(負の)方しか意識していない人がいますが、益を得る方も”リスク”です。
ざっくり単純化して言ってしまうと、元本割れしにくさで並べると以下のようになります。
普通預金>定期預金>日本国債>>>(円建て)社債>>>>>株式(>>>>>>>>>>>仮想通貨)
※不等号の数はあくまでも私個人の見解・イメージです。
預金保険制度で保証されているのが預金です。これは、預け入れをしている銀行等の金融機関が破綻しても、預金は預金者のものとして保護されます。当座預金や決済用普通預金であれば全額、普通預金や定期預金などでは1,000万円までの元本と利息が保護されています。
したがって、預金であれば元本割れはしません。
ちなみに、インフレが見込まれる場合は、現預金が一番インフレ耐性がありませんので、その点は頭の片隅に入れておくとよいでしょう。
(例)以前は100円でハンバーガーが買えたのに、今は110円出さないとハンバーガーが買えなくなるとしたら、相対的に100円の価値が下がっています。
元本割れしにくくて、普通預金よりも高い利回りが欲しい
結論を先に申し上げましたが、再掲すると以下です。
- ネット銀行の定期預金
- 個人向け国債
- 円貨建ての債券(株価連動債やEB債という仕組債を除く)
以下で個別に補足をしていきます。
ネット銀行の定期預金
ネット銀行の定期預金は元本割れもせず、個人向け国債より金利が高いものがありますのでオススメです。
私は住信SBIネット銀行を使っていますが、証券投資をするより以前は定期預金をやってました。2026年7月24日現在、1年もの定期預金で年1.20%(2026年8月30日までの特別金利キャンペーン・税引前)、通常の1カ月ものでも年0.375%の金利が付きます。なお同行は2026年8月3日に「ドコモSMTBネット銀行」への行名変更を予定しています。
https://www.netbk.co.jp/contents/kinri-yenteiki/
100万円を年1.20%の1年定期に預けたとしたら、年間12,000円(20.315%の税金を考慮すると手取りは約9,562円)。この記事を最初に書いた2021年は1年定期で年0.15%=税引前1,500円でしたから、金利のつく世界に戻ってきたことを実感します。
金利が高いネット銀行は他にもあるかも知れませんが、私の場合は、SBI証券との連携を考えて住信SBIを愛用しています。私は同行のスマートプログラムというものの条件を満たして、月に7回振込手数料無料、月に7回ATM手数料無料という特典を受けています。(結構簡単な条件です。行名変更後のサービス内容は公式のお知らせをご確認ください)
あとは楽天銀行です。この記事を最初に書いたときは口座を持っていませんでしたが、現在は私も口座を保有しています。楽天のポイントアッププログラムに関係するので、楽天経済圏(エコシステム)に浸かっている人にはおすすめです。(金利という視点ではないのですが)
個人向け国債
個人向け国債も元本割れしません。かつては最低保証の年0.05%に張り付いた時期が長く続きましたが、金利上昇を受けて、2026年7月募集分では変動10年(第196回)の初回適用利率が年1.80%まで上がっています(固定5年は年1.95%・固定3年は年1.56%。最低金利保証は今も年0.05%です)。大手銀行でも、みずほ銀行の普通預金が年0.300%・1年定期が年0.400%(2026年7月21日現在)ですから、個人向け国債(変動10年)はそれらより高い利回りです。
変動10年に100万円を預けると、初年度は年間18,000円(20.315%の税金を考慮すると手取りは約14,343円)の計算です。年0.05%=手取り399円だった2021年当時からは様変わりしました(適用利率は半年ごとに見直されます)。
個人向け国債は銀行や証券会社で買うことができます。平日昼間に金融機関の店舗に行くのは難しい人が多いと思うので、ネット証券(SBI証券か楽天証券)がオススメです。
\ 住信SBIネット銀行を使っているならこちら /
\ 楽天銀行や楽天系列サービスユーザーならこちら /
円建て社債
円建て社債は、いわゆる日本の株式会社が発行した債券です。発行体(発行した会社)が破綻するとき元本割れを起こしますが、破綻さえしなければ、元本は額面どおり100%で返ってきます。
そして預金や国債よりも高い金利を得られる可能性があります。水準も金利上昇で切り上がっており、例えばソフトバンクグループが2026年6月に発行した個人向け社債(第9回ハイブリッド社債)の利率は当初5年間で年5.12%でした。ただしこれは劣後特約付き(発行体が破綻した際の返済順位が普通社債より低い=リスクが高い)の例で、この記事の趣旨に沿うなら、仕組みのシンプルな普通社債を選ぶのが基本です。
しかしながら、債券というのは証券会社があまり儲からないのと、そもそも大口の単位であることが多いので、個人投資家向けにはあまり出てきません。個人向けだと最低でも10万円とか50万円とかからだったりします。
正直、上記で挙げた3つの方法はどれも、リスクが低いためリターンも低いです。(それが「元本割れをしない」「元本割れをしにくい」というリスク許容度に沿うものなので)
生活防衛資金は現預金
以上のように、ローリスクのものはローリターンですので、ありったけのお金を投じて、少しでもリターンの絶対値を増やそうと思う人がいるかもしれませんが、それはオススメしません。
人生には、新型コロナウイルスのように予想のつかないことがおきます。緊急の生活費や医療費については、預貯金で持っておくことをおすすめします。上記の預金や債券は、現金化するまでに数日程度の時間を要する場合があります。
一般的に、生活防衛資金として数カ月分の支出をまかなえる預貯金を持つのがいいとされ、投資はそれ以外の余裕資金で運用を行うのがよいです。
長期投資するなら株式も元本割れしにくいと言える
長期投資という観点で見ると、買って20年以上くらいほったらかせるのであれば、株式への投資も元本割れしにくいという研究結果があります。(ジェレミー・シーゲル『株式投資』『株式投資の未来』)
これを踏まえると、株式指数へのインデックス投資(日経平均やS&P500、NYダウなど)は簡単で、手を出しやすい投資です。ただし、市場の暴落時にも投げ売りしないでホールドしておく肝っ玉が必要です。
リーマンショックなどでは株式指数でさえ30%〜50%とか下落するので、この辺をふまえてリスク許容度(どれくらいのリスクに耐えられるか)を考えましょう。
簡単でオススメなのは、日経平均やS&Pなどの指数連動型の投資信託に投資する、インデックス投資です。
少額から始めるなら、1株(1口)単位で買える単元未満株サービス(SBI証券の「S株」など)や、100円から積み立てられる投資信託を使う方法があります。かつてこの記事で紹介していたSBIネオモバイル証券は、SBI証券に統合されています。
補足:有利子の貸与型奨学金を繰り上げ返済するのもオススメ
あと補足ですが、日本学生支援機構(JASSO)などから有利子の貸与型奨学金を借りている場合は、それを繰上償還するのがリスクゼロで一番リターンが高い「投資」だと思っています。私のときのJASSOの第二種奨学金で払う金利は1%ちょっとの利率で、預金や国債の利回りが1%に満たなかった時代には、繰り上げ返済が特に有利でした。金利のつく世界になった今は、ご自身の奨学金の利率と定期預金・国債の利回りを見比べて、借入利率のほうが高ければ繰り上げ返済を優先する、と判断するのがよいと思います。


最後に
以上が、元本割れを起こしたくない人のための投資でした。正直、金利としては物足りないと感じる方も多いと思います。しかし、いずれ株式や投資信託を買って運用する人でも、このステップを踏んでからやると、気付きがあると思うのでオススメです。









