就実学園、明治学院大学等によるインターネット・PCのための補助支給(奨学費?)

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先日、学費の返還運動に関連した記事を書きましたが、就実学園(就実大学・就実短期大学)、明治学院大学、芝浦工業大学がインターネット環境・PC購入の補助としてお金を支給するとのことです。

石渡嶺司「『#学費返還運動』に苦慮する大学~就実・明治学院は神対応も」Yahoo!ニュース

当該大学からのお知らせ(通知)は以下のリンクです。参考に概要と学生数(規模)もつけました。

学校法人 就実学園(4/16付)
遠隔教育のための情報機器の取得費用等の支給について
概要:全学生へ30,000円、5月上旬までに普通為替を送付
学生数:約3,000名強

明治学院大学(4/21付)
新型コロナウイルス禍に対する明治学院大学の対応について
概要:全学生へ50,000円、支給方法は追って通知
学生数:約12,000名強

芝浦工業大学(4/22付)(記事公開終了)
2020年度前期のオンライン講義実施に伴う臨時奨学金(給付)について

概要:全学生へ60,000円、後期の学費請求から減額
学生数:約9,000名弱

一番総額が大きいのは明治学院大学です。1人につき50,000円×12,000名=600,000,000円(6億円)くらいの支出になりますね。ちなみに、支給方法について、実作業する側としては、後期の学費から差し引くのがやりやすいです。ただ、普通為替でスピーディーに対応するほうが、手間はかかりますが、学生側には良いですね。ただ普通為替送付は、手間がかかるので、大規模大学には厳しいでしょう。(外注ならできるか?)また

なお、以下のようなツイートも見かけましたが、

たとえ、元の施設費等を20万円強とっていても、「売名」と言われていても、この支給には大きな意義があると思います(学生のためには、やらないよりずっといいかと。6億円はでかいっすよ)。

財務的な数字として
一応、財務的にも学校法人明治学院の2019年度予算を見てみましょう。(2020年度予算で書きたいですが、公開前のようなので)
出典:学校法人 明治学院 財務情報

基本金組入前当年度収支差額は、13億円
基本金組入額合計は、△20億円
当年度収支差額は、△7億円

ということで6億円を支給しても、基本金組入前当年度収支差がは7億円残りますし、財務的には一応なんとかなるようです(当該法人の財務部署の人がどう思っているかは知りませんが)。少なくとも一時的なものであれば「経営が危ない」と言うほどでは全くないでしょう。もしかしたら、他の当初予定していた事業を縮小したりするのかもしれませんし(イベント関係は開催できなく、出張にも行けなくなってますから、各種キャンセル料を差し引いたとしても、浮いた費用をこの支給に充てたり)。
ただ、これは、奨学金的なものとして勘定科目は「奨学費」として出すのかなーと推測されますが、当初の奨学費予算が3.6億円であることを考えると、追加6億円というのはインパクトは非常に大きいです。
(*2020.4.26 上記パラグラフで一部の表現を訂正しました。)

ちなみに、誤解を恐れずに言えば、「基本金組入前当年度収支差額」は企業会計の当期純利益に近いものです。「基本金組入額」というのは学校法人会計特有のもので、「必要な資産を継続的に保持するために維持すべきもの」である基本金として、お金を貯めるようなことです。取得した固定資産の価額、将来取得する固定資産のためのお金、奨学基金や研究基金のお金、恒常的に保持すべきお金を組み入れます。(これらの基本金はそう簡単に取り崩せるものではありません。)
(人によっては、「当年度収支差額」が当期純利益に近いものと言うかもしれません)

そして、結果的にか、狙ったのかはわかりませんが、よいPRになったのではないかと思います。
ただ、新型コロナウイルスが今年で収束せず、2021年・2022年も遠隔授業がメインになるとしたら、同じようにお金を支給するか、謎ですね。。。また何か思ったり考えたら記事書きますー。ではでは。

学校法人会計について詳しく知りたい人はコチラ
文部科学省高等教育局私学部参事官付「学校法人会計基準について」平成28年8月23日(火)

学校法人会計基準については、こちらの書籍も面白かったです。

[rakuten id=”book:19859015″ kw=”私立大学の財政分析ハンドブック野中 郁江”]

2020.4.23 19:20追記

獨協大学も4/23付で打ち出しましたね。これまでの大学よりも金額が高く、全学生に100,000円の支給!学生数は9000名弱なので、総額9億円くらいですね。こちらも2019年度予算の基本金組入前当年度収支差額19.5億円の半分強ですね。すごい。

2020.4.25 18:10追記

早稲田、慶應、立教なども支援を公表しましたね。(そろそろ追えないので詳細は言及しません)

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この記事を書いた人

経理・財務経験が6年程度の大学職員です。

資格:簿記2級、FP2級、TOEIC L&R 880点
投資年数:10年
投資経験:投資信託(インデックス投資)、米国ETF、トラリピ(FX自動売買)、トライオートETF(株価CFDの自動売買)、暗号資産(仮想通貨)

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