大学での債券投資に必要なスプレッドの考え方

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前回、大学の資産運用における債券投資について書きました。

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今回は、その延長で「スプレッド」について説明します。

スプレッドとは、上乗せ金利のことです。例えば、事業会社や金融機関が債券を発行するとき、基準金利(金利スワップレート等)+スプレッド(上乗せ金利)でクーポン(利率)が決まります。

スプレッドの単位はbp(ベーシスポイント)を使うことが多いです。100bp=1%です

例えば、私が運用担当をしていた頃、60年債で、10年後にファーストコールとなる円建ての劣後債(劣後債の説明は前回記事「大学の運用で投資している債券とは」参照)で、債券格付JCR A-のものであれば、80bp(0.8%)くらいスプレッドが乗っていることがありました。

たしかこの時は、基準金利0.23%+スプレッド0.8%ということで、クーポン1.03%になりました。

格付が低いなどリスクの高い債券ほどスプレッドは乗ります。私の頃は、格付A-以上円建ての債券だと70〜80bp、同外貨建て債券だと100bpくらいスプレッドが乗るものを一つの基準にしていました。

(参考:PIMCO)

スプレッドとは

債券の利回りは2つの部分に分解することができます。ベース金利と、 ベース金利に上乗せされる金利(スプレッド)です。

PIMCO 債券の基礎 https://japan.pimco.com/ja-jp/resources/education/bond-basic/fixed-income-1/what-is-spread(2024年1月16日アクセス)

信用スプレッド

一部の国債を除いた全ての債券の利回りはスプレッドを含んでいま す。社債の利回りにはそれぞれの企業に関して見込まれる債務返済 能力に応じたスプレッドが上乗せされています。また、モーゲージ債な ど、証券化商品もスプレッドを持っています。また、スワップに関し ても、カウンターパーティーが取引不履行となるリスクに応じたスプ レッドが上乗せされます。国債でも、米ドル建て新興国国債など外 貨建てで発行される場合には、発行通貨の金利に対して信用スプ レッドが上乗せされます。

PIMCO 債券の基礎 https://japan.pimco.com/ja-jp/resources/education/bond-basic/fixed-income-1/what-is-spread(2024年1月16日アクセス)

大学によっては外貨建て債券に取り組んでいない(規定上取り組めない)ところも多いかもしれません。

その場合は、円建ての債券で少しでも多くの利回りが得られるよう、探すしかありませんね。劣後債や、サムライ債(海外の発行体が日本市場で発行する円建て債券)、ユーロ円債(海外市場で発行される円建て債券)が候補となり得るかと思います。

また、既発債で、そっくり同じ債券(同じ発行体、同じクーポン、同じ償還日)を、2つの証券会社が売り込んでくることがありますが、その時は相見積もりのように、それぞれから頑張ってもらいましょう。

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この記事を書いた人

経理・財務経験が6年程度の大学職員です。

資格:簿記2級、FP2級、TOEIC L&R 880点
投資年数:10年
投資経験:投資信託(インデックス投資)、米国ETF、トラリピ(FX自動売買)、トライオートETF(株価CFDの自動売買)、暗号資産(仮想通貨)

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