前回、前々回と大学の債券投資について書きましたが、規程上、劣後債や外貨建て債券は買えないという大学もあるかと思います。
今回はそのような大学のために、日本国債のラダー型運用について書きます。
ラダー型運用とは?
ラダー型運用とは、横軸に各債券の残存年、縦軸に債券の数量をとり、例えば毎年10年国債を同じ数量だけ買い、残存期間が1年〜10年まで持って、償還が来たらまた10年国債に再投資するというものです。縦軸の数量と、横軸の残存年からラダー(はしご)のように見えることから名付けられたようです。
参考:iFinance 金融情報サイト
さらに、これを償還ではなく、一定の残存年を切ったら売却して再投資するものを部分ラダー型有用などと呼びます。
メリットとデメリット
次にメリットとデメリットについて説明します。
メリット
金利変動への耐性という点では、金利が低く(債券価格が高く)なったら、途中売却してもよいですし、最悪金利が高く(債券価格が安く)なったら、償還まで保有すれば単価100で戻ってきます。
インカムゲインとキャピタルゲインを狙えるというのは、利金とローリング効果による売却益です。
通常、残存年が長い債券はクーポンが高いです。例えば20年国債が0.21%とします。20年国債を10年保有すると、残存10年でクーポン0.21%の債券となります。もし10年後も同じくらいの金利水準だとしたら、この債券をみんな欲しがります。そのため、債券単価(時価)が高くなり、利回りで見て、新発10年国債と同じ利回りになるような債券価格になります。これを売却すると売却益が発生します。
参考:野村證券

前提としては、イールドカーブが順イールドである(長期債の方が、短期債より利回りが高い)でないといけません。また、このイールドカーブの傾きが変わらないことが理想です。
デメリット
国債の金利は変動しますので、理想の通りには行きませんが、金利変動耐性もあるので、単に普通に国債を買うだけよりは良さそうに思います。
ネックになるのは、超長期債を買える規程になっているかというところ、既発債を単価100以上(オーバーパー)でも買える規程であることですね。
この辺がクリアできれば検討する価値はあると思います。