資産運用と聞くと、誰もが思い浮かべるのは株式ですね。NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(確定拠出年金)が始まり、大学に限らず、個人で株を持つ人も多くなってきたかと思います。
目次
結論
大学の運用において、株式を考えてみますと、私の個人的意見としては「個別株はお勧めできないけど、ETFならアリ」です。
その理由
1.個別株はリスク・ボラティリティが高い
個別株というのは、トヨタの株とか、NTTの株とかの個別企業の株のことです。
リスクというのは不確実性のことであり、マイナスに動く可能性、プラスに動く可能性がリスクです。ボラティリティも似てますがこちらは変動幅です。
(もし違ってたらコメントください)
たしかに、トヨタのような日本を代表するような企業であれば、株価がゼロになることは考えにくいです。しかし、日本航空や東芝の例があるように、運が悪ければ株は大きく損をします。(当然ですね)
もちろん日頃から決算をチェックし緻密に分析していれば株で益を取ることもできるかもしれませんが、大学事務職員という職種では限界があるでしょう。
プロのファンドマネージャーであっても、サルがダーツで決めた投資に負けると言われるほど難しいのが市場なのです。
ETFとは
そもそも、ファンドマネージャーが上場しているいろんな会社の株を寄せ集めたものを「投資信託」といいます。ファンドマネージャーは、その銘柄を選んだり売買の管理したりする人です。
「投資信託」を上場させたものが「ETF(上場投資信託)」です。
上場することにより流動性が高まります。また特徴として、売買の手数料や信託報酬がやすいことが挙げられます。
ETFは特定の指数に連動することを目指し、特定のルールで銘柄選択がされていますので、ファンドマネージャーが銘柄を選ぶ投資信託(アクティブファンド)と比べてコストが安いのです。
個別株と比べると、沢山のいろんな株が入っているため、分散されています。例えばTOPIXや日経平均株価、S&P500指数に連動するETFなどは数百銘柄に分散投資しています。
その点で、個別銘柄、業界のリスクは軽減されているため、「株式市場はなんだかんだ右肩上がりになる」と考える場合は、ETFに投資すると良いと思います。
ただし、やはりリスクはある
2008年のリーマンショックのとき、ダウ平均株価や、日経平均株価が大きく下げたのは記憶にあるかと思います。指数があれだけ下がる時は、ETFであっても50%近く下落しますので、ポートフォリオの中でETFもある程度に抑える必要はあります。
そもそも大学は、寄付金をもとに基金をやっていたり、学費などの収入から支出を引いた残り(基本金組入前当年度収支差額)をもとに基本金に組み入れていますので、リスクの高い運用はそぐわないわけです。
保守的ですが、円債・外債の債券投資をメインにするのが大学においては良さそうです。
欧米の大学では、オルタナティブ(代替資産)として、プライベートエクィティや、ヘッジファンド、インフラ資産などが盛んですが、日本においてそういったものに投資しようにも良い商品がないのが現状です。唯一、オルタナのなかで不動産はやっている大学があります。これについてはまたそのうち記事にしたいと思います。
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