大学による外債運用

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今回は債券の中でも外債、つまり外貨建て債券の説明をしたいと思います。外債は為替リスクを負うことになりますが、金利(クーポン)が高く魅力もあります。

目次

円債との違い

円債との違いを述べていきたいと思います。概略としては記事冒頭に書いた通りですが、詳しく見ていきます。

デメリット

大きな違いは為替リスクがあることです。

為替リスクとは、例えば米ドル円の為替によって、利金や償還金(償還日に戻ってくる投資元本)の円貨が変わる可能性が高いことです。

例えば、1ドル=100円の時に、単価100で額面100万ドル(1億円)、米ドル債を買っても、償還日に1ドル=90円なら9千万円しか戻ってきませんし、逆に1ドル=110円なら、1億1千万円で戻ってきます。

通貨の違い以外では円債と同じです。強いて言えば、国際的な金融機関が発行体ということが多いです。以下のような発行体の債券はよく見ました。

  • 国際復興開発銀行
  • 国際金融公社
  • 欧州投資銀行
  • モルガン・スタンレー

メリット

金利(クーポン)が高いのが魅力です。私がやっていた頃は米ドル債、豪ドル債、NZドル債(事業債・金融債等)で3〜4%とかありました。2023年現在はかなり金利が高くなっているので、もっとあるでしょう。

デメリットの為替リスクも大きいですが、高いクーポンをもらいつつ最低5年は保有して、償還時に多少償還損が出ても、それまで得たクーポンとトータルで見てプラスになればよいと思います。

金利リスク・為替リスクへの対応

国際的な金融機関の発行体は、発行量が多かったりするので、流動性が高く、追加購入をして為替リスク、金利リスクに対応することが可能です。

例:初めて買ったときは、単価100だったけど、金利上昇(債券価格低下)で、単価94になった。→同じ量買い増せば、簿価単価(仕入れ値)は97になりますね。

同様に、初めて買ったのは、ドル円が110円だったけど、今100円だ!→同じ量買い増せば簿価為替は105円になります。

株の場合は、ナンピンしてもその後株価が上がるか分かりませんが、債券は単価100で償還します。

為替は変動幅大きいですが、そこそこの範囲であることが多いですね。(ドル円が50円になるとは考えづらい)

意外と大事なこと

証券会社で外債を買うには、成行注文でその時に為替を決定し、後で円貨で支払うのがベターかと思います。

ここで大事、というかこれより前に交渉の必要があるのですが、証券会社の為替スプレッド(為替手数料)を低くしてもらいましょう。

通常、その時の本当の為替(仲値)に、手数料として10銭とか15銭とか証券会社に上乗せされます。

例えば米ドル債を買う時に、ドル円(仲値)が100円でも15銭上乗せて、110.15円で払うというような感じです。

これは証券会社の取り分なので、金額のロットを多くする、メイン証券会社とする等で、為替スプレッドを少なくしてもらいましょう。

また、違う証券会社で、全く同じ債券を営業してきたときは、相見積もりの(入札)ような感じで、頑張ってもらうことも必要です。これは、家電を買う時に「価格.com」を見るのと同じことです。

以上、簡単に外債の購入のポイントを説明してみました。大学で運用する方の参考になれば幸いです。

私立大学の資産運用についてまとめた記事は以下です。

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この記事を書いた人

経理・財務経験が6年程度の大学職員です。

資格:簿記2級、FP2級、TOEIC L&R 880点
投資年数:10年
投資経験:投資信託(インデックス投資)、米国ETF、トラリピ(FX自動売買)、トライオートETF(株価CFDの自動売買)、暗号資産(仮想通貨)

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