日本国債しか買えない大学でも利回りを取れるラダー型運用

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何度か大学の債券投資について書きましたが、資金運用の規程(ルール)上、劣後債や外貨建て債券は買えないという大学もあるかと思います。

今回はそのような大学のために、日本国債のラダー型運用について書きます。この運用手法では、名前のとおり日本国債を売買しますので、規程的にセーフということが見込めます。

ちなみに、これまでの債券関係の記事は以下です。

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目次

ラダー型運用とは?

ラダー型運用とは、横軸に各債券の残存年、縦軸に債券の数量をとり、例えば毎年10年国債を同じ数量だけ買い、残存期間が1年〜10年まで持って、償還が来たらまた10年国債に再投資するというものです。縦軸の数量と、横軸の残存年からラダー(はしご)のように見えることから名付けられたようです。

参考:iFinance 金融情報サイト

さらに、これを償還ではなく、一定の残存年を切ったら売却して再投資するものを部分ラダー型運用などと呼びます。

例えば、20年国債を買い、金利(クーポン)収入を受け取り、時間が経過して残存年数が15年になったら売却し、また20年国債を買う、というような方法です。

メリットとデメリット

次にこの日本国債の部分ラダー型運用のメリットとデメリットについて説明します。

メリット

日本国債部分ラダー型運用は、金利変動リスクへの耐性があり、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を狙えることがメリットです。

金利変動への耐性という点では、金利が低く(債券価格が高く)なったら、途中売却してもよいですし、最悪金利が高く(債券価格が安く)なったら、償還まで保有すれば単価100で戻ってきます。

償還まで保有すると、当該投資元本で他の金融商品を買えないですが、元本を毀損させずに済みます。

インカムゲインとキャピタルゲインを狙えるというのは、利金とローリング効果による売却益です。

通常、残存年が長い債券はクーポンが高いです。例えば20年国債が金利0.21%であるとします。20年国債を10年保有すると、残存10年でクーポン0.21%の債券となります。もし10年後も同じくらいの金利水準だとしたら、この債券をみんな欲しがります。そのため、債券単価(時価)が高くなり、利回りで見て、新発10年国債と同じ利回りになるような債券価格になります。これを売却すると売却益が発生します。

参考:野村證券

前提としては、イールドカーブが順イールドである(長期債の方が、短期債より利回りが高い)でないといけません。また、このイールドカーブの傾きが変わらないことが理想です。

デメリット

デメリットとしては金利が高くなった時、売れずに、塩漬けにするため、機会費用がかかることでしょうか。

国債の金利は変動しますので、理想の通りには行きませんが、金利変動耐性もあるので、単に普通に国債を買うだけよりは良さそうに思います。

ネックになるのは、超長期債を買えるような資金運用規程になっているかというところ、既発債を単価100以上(オーバーパー)でも買える規程であることですね。

この辺がクリアできれば検討する価値はあると思います。

最後に

以上が、大学で行うことができるラダー型運用の話でした。

ちなみに為替という不確定要素が加わってしまいますが、米国債で同様のことを行なうこともできます。

また、その他の大学の資産運用についても記事を書いていますので、よろしければご覧ください。

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この記事を書いた人

経理・財務経験が6年程度の大学職員です。

資格:簿記2級、FP2級、TOEIC L&R 880点
投資年数:10年
投資経験:投資信託(インデックス投資)、米国ETF、トラリピ(FX自動売買)、トライオートETF(株価CFDの自動売買)、暗号資産(仮想通貨)

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